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すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~

第19章 危ない一歩…


そんな不安、寂しさすらも交じり合わせた間隔を瀬乃は気付き、感じ取っている。

「返事がないっていうのは、肯定と取っていいって思うけど…?」
「瀬乃…さ…ッッ」
「今夜は俺を、選んだって思ってもいいって事?」

瀬乃が缶を置き、一歩詰める。問いの様にも聞こえるものの、間違いなく確認の意味が大きく含まれていた。逃げ道をしっかりと残している…そんな優しくも取れる線引きだった。
住吉の顔がちらつきながらも、甘くも、優しく触れてくる瀬乃の温もりに凜桜の視線はフッと伏せられていく。

「…大野さん…」
「…ッ」

次の瞬間だった…瀬乃の指がそっと凜桜の顎に触れた。強くは掴まない…ただそっと、持ち上げて、誘うだけの力だった。ふいっとよければ簡単に外れるほどの力…

「嫌なら、止めるけど」

そんな言葉が落ちてからほんの数秒後だった。凜桜の中をよぎったのはやはり住吉だった。自信に満ちたような、少しだけ強引なキス…だけど…優しくて、もっとって欲しくなった…あのキスだった。

それでも…やはり次に思い出されるのはあの言葉…

そうしている間にも瀬乃の親指が顎から頬へ滑り、体温がじわりと伝わってくる。そしてゆっくりと互いのそれが重なった。決して深くはなかった。ただ確かめるような…それでいてゆっくりと離れてはまた重なる。触れる旅に躊躇いが薄れていく…

凜桜の呼吸がわずかに乱れた…その一瞬を瀬乃が見逃すわけもなかった。

「やっぱり…」

そう小さく、そして低く呟けば一呼吸を置いた瀬乃。

「彼はあなたの事…」

しかしその先は一切言わなかった。言わないままにもう一度キスを落としていく。すぐには離さずに…たださっきよりも少しだけ長く…
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