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すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~

第19章 危ない一歩…


「さ、どうぞ?」

そう伝えれば瀬乃は先に凜桜を家の中に入れた。ただ、押し込むような乱暴さは全くなかった。

「…上着や鞄、適当においてくれて構わないから」
「はい…」

殺風景というわけでもない。ただ、無駄なものもない…殺風景というには住吉の部屋の方がよほど物はない感じだった。

「…ビールと酎ハイ、どっちがいい?」
「んー…チューハイって度数高いです?」
「いや、確か軽めのあったはず…」

そう言われて出してくれたものはフルーツフレーバーの物だった。

「ありがとうございます」
「ん、気にしなくていいよ」

ソファに並んで座り、それぞれプルトップを開けようかとしていた。

「…ッ…」
「大丈夫?」
「…ちょっと…待って…ッッ…」

凜桜の爪も短く整えられているせいもあり、なかなかそれは開かなかった。

「クス…こっち、貸して?」
「あ、でも」
「そういう時は『ありがとう』って言ってくれたらいいんだけど?」

小さく笑いながらも瀬乃は凜桜の手からチューハイの缶を受け取り、簡単にプシュッと開ければ凜桜に手渡した。

「…あ、りがと」
「ん」
「…優しいですよね…瀬乃さん」
「そう?普通でしょ」

そう言われながらも一口、二口と喉を通していく。

「もう、秘書って長いんですか?」
「あ、今年入ったばかりで」
「そうなんですね?」
「それに、…仕事上の上司ですし…」

嘘ではない。凜桜にとって住吉は…そして住吉にとってもまた、仕事上の関係だった。でも、それでもすべてではない…瀬乃は小さく頷いただけでそれ以上は掘り下げる事はなかった。しかし、その沈黙が思いの外…ーーー重たかった…

「それでも…」
「え?」
「一緒に作ってきた文化祭の打ち上げを置いてでも今夜ここにいると言う事は…今夜、帰さないつもりでもいいって事ですか?」
「…ッッ」

嫌だと即答できなかった。住吉に突き付けられた『だったらやめときなって話だ』というあの言葉…それに対しての反抗にも似ていた…
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