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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第30章 「善意の逆理 Ⅲ」


真澄は、きょとんと目を瞬かせた。



「……ちょっと、冗談やめてよ。野薔薇ちゃんが普通じゃない力を持ってるのは、細井先生からちゃんを助けた時に見えたから」

「なら、私がどうやってあの子を受け止めたか知ってんの?」

「そ、それは……中庭で見て……」

「嘘ね。今日は追悼式で、授業はない。ここにいる生徒は、みんな礼拝堂にいた。中庭に集まってきたのは、私があの子を助けた後よ。
あんたは駆けつけたんじゃない。最初からここにいたのよ」



私は屋上のフェンスを顎で示した。



「特等席で、下を見下ろしてね」



あー、自分に呆れる。
こんな簡単なことに気づかないなんて。
いや、信じたくなかっただけかもしれない。

そう。
ずっと、どこかで感じていた。
この気持ち悪さ。



「私とはあんたが出した情報を、そのまま信じて動かされてたってわけね」

「……何の話?」

「細井よ。あいつは学校中が知るクズだった。犯人に仕立てるには、ちょうどいい。
準備室のメールも、『Re:bloom』の噂も、あいつの術式も。
全部、細井に辿り着くように置いてあった。
私たちが細井を追うように。細井を犯人だと思い込むように」



目の前の『真澄』を睨みつけると、真澄は困ったように眉を下げた。



「野薔薇ちゃん、変だよ。私は真澄だよ。私を疑うの?」

「じゃあ答えなさいよ。裏山で半分こしたアイス、何味だった?」



真澄は、少しだけ考えるように瞬きをした。



「……ソーダ味」

「ふみのランドセルの色は?」

「水色……似合ってたよね」



答えは合っている。
その声も。
その言葉も。
間違いなく、真澄が言ったものだった。

だからこそ、背筋が冷えた。
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