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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第20章 「君の心をさらったその日から**」


プルルルル……


おばあちゃんのスマホが震えた。
画面を覗いたおばあちゃんの顔がぱっと明るくなった。



「――あっ、さっちゃーん!」

「え、大丈夫よー! うんうん、ほんと、大丈夫だから!」

「ちょっと打っただけだってば~。ありがとねぇ、心配してくれて!」



スマホを肩と頬で挟んで、おばあちゃんは残りのお煎餅を袋に戻し始めた。

 
私もそれを見て、小さく息をついて立ち上がった。
空になった湯呑みを手に取って、キッチンへ向かう。


(……あれだけ元気なら、心配する必要なかったかも)


湯呑みを流しに置いてリビングへ戻ると、
テーブルの上に置かれた、例のアレが目に入った。


(……こんなとこ置いとけないし)


私はそれをさっと手に取り、スカートのポケットに押し込んだ。


(確かに、いつも先生が準備してくれてるけど)


ポケットに押し込んだそれの感触が、妙に気になってしまう。


(……私も、持ってた方がいいのかな)

 
先生だって、いつも持ってるわけじゃないだろうし……


(……で、でもっ。私がこれ持ってたら)

(や、やる気満々とか思われたり……!?)

(……うぅ、なんで私、こんなことで……!!)


ぶんぶん、と小さく首を振った。


(……落ち着け、私)


深呼吸をひとつして、私はようやくソファに腰を下ろした――。





 


「あ、~!」



玄関からおばあちゃんの声が飛んできた。

 

「さっちゃんがね、桃くれるって!」

「えっ?」

「ちょっと行ってくるねー!」

「まっ……待って、おばあちゃん、それなら私が――」



言いかけたときにはもう、玄関のドアがパタンと音を立てて閉まっていた。

 

「……行っちゃった……」



今日は、大人しくするって言ってなかったっけ?
私は引き止めようとした手を伸ばしかけたまま、盛大にため息をついた。

 
(ほんと似てる)

 
頭に先生の顔が浮かぶ。
こっちが止める暇もなく動いて、困らせて、
でも、なんだかんだで全部持っていってしまう人。


でも、そういうところが――


(……たぶん、好きなんだろうな)


私は洗い物をするため、またキッチンへ戻った。
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