第29章 川品中央総合病院
椛「もしも、もしもの話ですけど…
そんなもしも、もちろん考えたくないですけど…」
安室「…はい、大丈夫です。
取り敢えず聞かせてください。」
彼女の言葉に、言わんとしてる事は同じかもしれないと直感で感じる。
椛「班長の彼女さんの事を悪く言いたいとか、否定するとかそう言う事じゃなくて…」
安室「はい…」
椛「もしも安室さんが私より先に亡くなっても…
私は、後追い自殺とかしたりするタイプじゃないので…
そこは安心(?)という言い方が正しいか分かりませんが…
安心してください。」
彼女の言葉を聞いて、彼も正しい言い方かは分からないが…
自然とホッと胸を撫ぜ下ろす感覚がして、一先ず安心する安室。
安室「そうですか。
その言葉を聞けて良かったです。」
安室は運転しながら、横目で彼女に微笑みを向けた。
椛「もしも万が一そうなったとしても、ちゃんと亡くなった人の分の意志を継いで…
私は精一杯、最後の最後まで生きていきたいタイプです。」
安室「大丈夫です、僕もそう思いますよ。」
『起きてしまった事は、もう元には戻らない。
受け入れて前に進んで行くのみ。』
今まで人生は交わらなかったにしても、出会う前からそんな生き方をお互いして来た者同士。
根本的な物事の考え方はお互い似てる気がしていたが、同じ時間を共有すればする程、その感覚は強くなって来ていた。