第29章 川品中央総合病院
椛「けど…
交通事故も殉職も安室さんはしないで下さいよ?
私のそばにずっと居てくれるって…
約束してくれましたよね?」
安室「えぇ、約束しました。
約束は守ります。」
未来の事はこれからどうなるか、もちろん誰にも分からないが…
彼の力強くもハッキリとした受け答えに、胸の中が何か熱く疼く感覚がした。
椛「なんだかもう…
安室さんが居ない日々なんて、私…
考えられません。」
今の今まで一度も、と言うより…
普段全くと言っていい程、弱音を吐く所を見た事がない彼女からのその言葉に…
胸がギュッと締め付けられると同時に、胸の奥がカッと一気に熱くなる。
『大切にしたい』と心から思う女性から自身を求められる事が、これ程までに胸を締め、それと同時に心が酷く波打つ感覚がするとは…
『彼女と出会うまでは知らなかった感情だった』と安室は思う。
安室「椛さん?」
椛「はい。」
安室「僕は貴方への想いを確信して、自分自身に受け入れたその時からもう…
貴方を手に入れる事しか考えてなかったし、すぐに振り向いてもらえなかったとしても、こちらを向いてもらえるまで諦めるつもりは無かった。
手を取った今ではもう、貴方を今後手放せる気が全くしていないし、する気もない。」
椛「…」
安室「絶対に離したくないし、もちろん誰にも渡したくない。
俺はこんなにも欲深な人間だったとは…
今まで気づかなかったし、正直自分自身も驚いたよ。」
椛(零…)
安室「こんな俺は…
重いだろうか…」