第29章 川品中央総合病院
椛「お墓参りの後も、4人は揃って犯人逮捕に尽力していたのね。」
安室「いや、その時、犯人の逮捕は出来なかったんだ。」
椛「出来なかった?」
安室「あぁ、追い詰めたが…
あの時は取り逃がした。」
そう言う彼の表情は、横顔からでも悔しさに満ちていて、彼の正義感の強さを痛感させられる。
椛「その4人でいても取り逃がしたって事は、その犯人、相当やり手だったんだね。」
安室「ははっ!
あぁ、そうかもな。
あれから数年たったが、未だそいつは捕まっていないんだ。」
椛「そうなんだ…」
安室「次見つけたら、必ず捕まえてやるさ。」
運転をしながら前を見据えるその表情は、鋭く決意に満ちている目をしていた。
安室「…犯人は別だが、松田はその翌日に、萩原を殉職に追いやった同一犯によって、殉職したんだ。
それが松田に会った最後の日だったな。」
椛(松田君…)
安室「本当に…
良いのか悪いのか…
最後の最後まで、爆弾に何かと縁がある2人だったよ。
命日まで同じだなんて…
どれだけ仲が良いんだよ…」
椛「…」
安室「見えてきたな、そろそろ着くよ。」
ずっと安室を見つめながら話を聞いていたが、彼の言葉に進行方向に視線を向ける。
それらしきお寺が前方に見えて来ていた。