第29章 川品中央総合病院
安室「では次に行きましょうか。
次は松田家だな。
ここから近いんだよ。」
そう言って差し出してきた彼の手を取り、指を絡ませる。
2人は歩きだすが…
最後、椛は安室の隣を歩きながら、思い出したかのように一度後ろを振り向き、墓石に向かって空いている方の手を振った。
その様子に気づいた安室は、彼女の方に目を向ける。
安室「ん? どうかしましたか?」
椛「いえ、何でもありません。
行きましょうか♪」
安室「?」
彼女の様子に少し首を傾げるが、椛は何か嬉しそうな表情を浮かべていたため、
安室(気にするような事でもないか?)
と、駐車場に向かってそのまま足を進めた。
2人は一度車に戻ると、次の目的地へと向かう。
どうやら本当に近いようで、ここから5~10分ぐらいしか離れていないとのことだった。
椛「萩原君のお墓詣り、4人でいつも来てたりしてたの?」
安室「あぁ、来てたよ。
松田がまだ生きてるときはな。」
椛「そうだよね…」
安室「最後に4人揃って萩原の墓参りに来た帰り、そういえば少々事件があったな。」
椛「事件?」
安室「あぁ。
あの頃、松田は捜査一課に移動になっていたが…
あの日、墓参りの後も松田は爆弾を解体していたよ。
あの時は液体燃料系だったな…」
当時の事件の事を思い出しているのか、運転席に座る彼の横顔はひどく懐かしそうな表情を浮かべていた。