第29章 川品中央総合病院
だが、いくら親友とはいえ、
『今、彼女は俺の恋人だ』
と嫉妬心と独占欲が、本能的にどうしても湧き出てしまう事は止められない。
そんな感情を鎮めたくて、彼女に問う。
安室「今、君が好きなのは俺だろう?」
椛「うん、そうだよ?」
先日からわかっている事だが…
その彼女からの言葉を聞いても、どうも独占欲が止まりそうにない。
そんな安室の様子に気付いているのか、素直に答えを渡す椛。
安室「椛さんが好きなのは誰だ?」
椛「安室さん…」
彼女に名前を呼ばれて、更に身体を近づける。
安室は、椛が口元に当てている手に、自身の手を上から重ねて、そっと握る。
すると彼女は手のひらを返して、指を絡め、握り返してくる。
手で半分隠れていた彼女の顔が、再び全てが露わになった。
手を伸ばすと、いつも必ず握り返してくれる小さな手も…
視線を向ければ、いつも真っ直ぐと見つめ返して来るブラックオパールな様な瞳も…
そんな彼女の姿が酷く尊く、愛しくて堪らない。
安室「『安室さん』…
じゃ無いだろ…」
その一言に、彼の言わんとしていることが伝わってくるが…