第29章 川品中央総合病院
椛(ヒロ君…
そんな事を周りに言ってたのか…
流石にそれはちょっと…
恥ずかしいと言うか何と言うか…
あぁ〜
私…
本当、凄い好きだったわヒロ君の事…
可愛い…
可愛すぎる…
尊い…
ヒロ君尊い…)
目的地に到着し、進行方向に目を向ける事から解放された安室は、彼女の様子をジッと見ている。
そんな安室に対して…
手を口元に当てて、赤くなる顔を見られまいと、彼とは反対方向に顔を背ける椛。
椛(今日は顔が赤くなる事が多い日だな…
もう…
困る…)
顔を背けてしまってから、何も言わなくなってしまった椛に対して少し拗ねた様子で話しかける安室。
安室「いくら何でも、他の男を想って顔を赤らめるなんて…
感心できないな…」
椛「いや、流石にこれは…
ちょっとタイム…
無理です…
本当…」
安室の言葉に更に何か色々思い出したのか、彼女の顔色は引く気配がない。
運転席のシートベルトを外して、窓際に寄っている彼女に近づく。
右手を伸ばして彼女の左頬に触れる。
その頬にはいつもより熱がこもっている事が、触れている手のひらからも伝わってきた。