第29章 川品中央総合病院
電話が許される毎週末。
いつも嬉しそうに電話をかけに行く景光の姿を、4人で揶揄いながらも微笑ましい気持ちで見送っていた。
あの頃は、
『卒業したら2人は再会して、付き合い始めるのだろう』
と彼ら4人は思ってやまなかった。
安室「あぁ…
それは『付き合う前の女性を、他の男に紹介したく無い男心』だよ。」
椛「えっ??」
安室「ずっと子供の頃から仲が良かったのに…
俺にも何も言わなかったんだよ、ヒロは…
ヒロに『好きな女性がいる』と聞いて、今まで黙ってた事、流石に少しショックで、その時ヒロに詰め寄ったんだよ。
『何で教えてくれなかったんだ?』
とね。
そしたらヒロ…
アイツ俺になんて言ったと思う?」
最後は少し苦笑しながら話をする彼の姿に、正直益々疑問は深まるばかりの彼女は、
『訳がわからない』と言う様な表情を向けて首を傾けていた。
安室「『付き合う前にゼロに紹介して、
彼女がゼロに惚れたら困るし、
ゼロが彼女に惚れても困る』
って言ったんだよ。」
椛からしてみたら思いもよらない理由に、いくら昔のことだと言えども、そんな事を自分が知らない所で景光が友人に話してたと思うと…
一気に顔に熱が集まる事を感じた。