第29章 川品中央総合病院
安室「それはもちろんそうなんですが…
椛さんに出会ってから食に対する見解が、より深くなったのは確かですよ。」
椛「そうですか?
お役に立ててるなら良かったです♪」
椛本人はあまり自覚が無いのか、そんなに気にしてない様に見えた。
安室「それでは行きましょうか。
まずは萩原家の菩提寺から。」
椛「はい。お願いします。」
供える線香やろうそく等は、事前に用意し持ってきていたため、向かう途中で花屋に寄り、仏花を購入する。
なんとなく車内が静かになるが、今なら何でも答えてくれる気がして、一番気になっていた事を彼に尋ねる。
椛「萩原君は、何で亡くなったの?」
安室「…萩原は卒業後、警視庁警備部機動隊の爆発物処理班に配属されたんだ。」
椛「爆発物処理班…」
安室「あぁ、そうだ。
とある事件で、爆発物の処理を担当していたが解体が間に合わず、身代金と引き換えに、犯人により遠隔操作で爆弾のタイマーが一度は停止したんだが…
結局、爆弾は爆発して、まだ爆弾の傍にいた萩原は、そのまま爆発に巻き込まれて殉職したんだ。」
椛「そうだったんだ…」
安室「あぁ、4人の中で一番最初に亡くなったのが萩原だった。」
椛「…」
彼の話を聞いていると、以前夢枕で見た萩原の姿を思い出さずには居られない。
とても明るくて、人の良さそうな笑みを浮かべている人だった。
ちょっとチャラかったが…
あの程度はご愛嬌だろう。