第29章 川品中央総合病院
暫く車を走らせると、今日のランチのお店に辿り着く。
車を降りて外に出ると、皐月晴れらしい綺麗な青空が広がっていた。
青空の下に晒された、新しいワンピースに身を包んだ彼女の姿が目に入る。
先ほどショップ内でももちろん見ていたが、人工的な蛍光灯の明かりとは異なり、太陽の光に晒されると、不思議とまた少し印象が変わって見えるから、太陽の光は偉大だ。
そして、自分が選んだ服を着ている彼女の姿を見ていると、充実感と合わせて征服感が同時に湧き上がる事を感じた。
安室(俺は今まで自分が思っていた以上に、独占欲が強いのかもしれないな…。)
少し自傷気味に苦笑した表情を浮かべ、彼女に目線を向ける。
椛は安室からの視線に気がつくと…
椛「安室さん?
どうかしました?」
安室「いえ、何でもありませんよ。
では行きましょうか♪」
椛「はい。行きましょう♪」
今日のランチの店は彼女のリクエストで、『鴨料理専門店』にやって来た。
お店に入り、カウンター席に通されると、嬉しそうにメニューを開く彼女の姿が隣に見える。
いつもは比較的直ぐに注文するものを決める彼女だが…
どうやら今日は少し迷っている様だ。
安室「椛さんがメニューで迷うの珍しいですね。
何と何で迷ってるのですか?」