第29章 川品中央総合病院
赤くなる顔を見られたくなくて、口元を手で覆い、彼がいるのとは反対の方向に顔を背ける。
照れ隠しだとは分かっていても、そっぽを向かれたことが寂しかったのか…
安室「椛さん…
そちらに僕はいませんよ。」
椛「分かってます…」
安室「先程までは、あんなに僕の事、見つめてくれていたのに…」
椛「さっきはさっき、今は今です…」
待っていたエレベーターが来たので、2人で乗り込む。
こんなタイミングで乗り込むエレベーターは、良いのか悪いのか、他に乗客はおらず、密室の箱の中で2人きりに。
扉が閉まると、壁際に追いやられて、逃げ場がない彼女は彼と向かい合う。
いつもより少し熱い彼女の頬に手を添えると、上目遣いで見つめる彼女と目があった。
顔が紅潮しているせいか、普段より瞳も潤んでいる様に見える。
安室「そんな顔で見上げてきて…
こんな場所で僕を誘ってるのか?」
椛「そんな…
全部安室さんのせいです!
全部安室さんが悪いw」
安室「ははっ!
僕のせいか…
では責任を取らなければな…」
そう言うと早急に重なる唇。
ここはエレベーターの中だというのに、彼の温もりを唇で感じると、全て身を委ねてしまいたい気分になるが……