第25章 コンフィデンシャルのその先に
彼の美しい瞳を、
『自分だけのものにしたい』と、本当はずっと思っていた。
『公安』という彼の立場で…
しかも『警視庁公安部』だった景光よりも更に上、『警察庁のゼロ』である降谷。
そして絶賛現役の潜入捜査官として、任務に当たっている彼の置かれている実状を考えると…
『想っても報われる事はない』と、
感情にずっとブレーキをかけていたのは、彼女も一緒だ。
椛(けど…
彼が私を受け入れてくれるのならば…)
彼の頬に添えている手を、僅かに目元に移動させる。
そこには先日、ヘリから雨の様に浴びせられた銃弾を、避け続けていた時に、弾が掠ったのだろう。
一筋の新しい傷跡が、薄らと残っていた。
その傷跡を一度指でなぞると、彼に向かって柔らかく微笑む。
椛「貴方が抱えてる物を…
守りたい物を…
一緒に守っていきたい。
側に居させて…
私も…
貴方の事が好き…。」
本当はずっと胸に秘めていた想いを、彼に打ち明ける。
彼女の言葉に、降谷は一瞬目を見開くが…
想いが受け入れられたと理解すると同時に、彼女の手から伝わる体温が、現実だと実感させてくれる。
降谷は至極嬉しそうに穏やかに微笑むと、そのまま彼女を優しく抱きしめる。