第25章 コンフィデンシャルのその先に
愛おしそうに彼女の涙を拭いながら、彼は話を続けた。
降谷「…作らないと決めてたんだ。
もう二度と…
大切な人を。
俺の恋人は、命をかけて守るべきこの国だと…。
けど、コントロールしきれない感情がある事を…
君に出会って思い知らされたよ。」
椛 「安室さん…」
彼の熱く切ない思いが伝わってきて、涙を止める事ができない。
きっと色々な感情を今までずっと、一人で全て乗り越えて来たのだろう。
そして彼の言う4人の仲間達の中で唯一、彼女が関わりがあった降谷の幼馴染で親友でもある景光。
優しくて、真っ直ぐで、頭が良くて、いつも真髄に向き合ってくれていた。
そして目の前の彼と同じ様に、景光も4人をとても大切に思っていた事を、彼女は良く知っている。
大好きだったヒロ君。
彼の優しい、穏やかな笑顔が脳裏に浮かぶ。
椛 (私が失ったのはヒロ君一人だったけど…
この人は、どれだけ多くのことを今まで失って来たのだろう。)
その事を思うと酷く胸が締め付けられて、息が詰まる。
しかし、目の前に居る彼はその全てを乗り越えて今もここに生きている。
彼のライトブルーの瞳の輝きが、何処から来ているものなのか。
彼と出会い、今日まで共に時間を重ね、やっと分かってきた気がする。
降谷は、未だ溢れ落ちる彼女の涙を再び拭うと、彼女の瞳をしっかり見つめて、力強くも優しく言葉を紡いだ。
降谷「君を守りたい。
この命に変えても。
側にいて欲しい。
俺の側に居ることが、危険な事だと分かっていても。
もう、感情の後戻りが出来ないんだ…
君の事が何よりも大切なんだ…
好きだ…」