第41章 親友との縁故
椛(零……)
彼が言うように、以前景光と離れて、
そしてどんな巡り合わせか、運命は降谷と繋がり…
当時、景光から縁を切られた事は椛自身もそう感じ、色々と思っているところもあった。
椛(これは、
私たちが乗り越えなきゃいけない、
壁なんだろうな。)
運転席に座る彼に腕を伸ばすと、彼の太ももに手をそっと乗せる。
進行方向に視線を向けながらも、彼女のそんな様子を横目で確認する。
椛「事件に関しては、目の前で起こる事、全く怖くないって言ったら噓になるけど、
零の手を汚いとか、怖いとか思ったことはないし、今後もそんな風に思う事はないと思う。」
安室「…」
椛「今の零の事も、その人生を選んだ決断力も、今の生き方も尊敬してるし…
当時、同じ様にその生き方を選んだヒロ君の事も、
その後…
ヒロ君がした『決断』も『覚悟』も…
同じように尊敬してるよ…」
彼女の言葉に、目頭がグッと一気に熱くなる感覚がした。
安室(この人は何で、いつもこんなにも欲しい言葉をくれるんだ…)
何か、自分でも気づいていなかった、心の隙間というか…
いつの間にか出来てきた、小さい穴やひび割れて出来た隙間を埋める様に、
何かが流れ込み、溶け込む様な感覚がした。
今が運転中で無ければ、力任せに思い切り抱きしめたい所だが…
そんな湧き上がる熱をごまかす様に、太ももに乗せられた彼女の手に、自身の左手を重ねる。