第41章 親友との縁故
白く、細い小さな手。
肌はいつもしっとりと滑らかで、ふわりと柔らかい。
自身とは似ても似つかないその手を握ると、いつも『守るべき存在』だと思い知らされる。
だがそれと同時に、明らか力はか弱いはずなのに、安心感と頼もしさを感じる事がある。
指を絡めて握ると、いつもしっかりと握り返してきてくれる。
そんな彼女の手が好きだった。
椛「私、零の手好きよ。
汚れてるだなんて、思った事ない。」
心の中で思っていた同じ事が彼女の口から出てきて、思わず息をのむ。
いいのか悪いのか…
丁度、赤信号で車が止まると、彼女は彼の左肩に頭を寄せる。
そんな彼女の方に、安室は視線を向けた。
愛おしそうに、彼女の頭に顔を一度うずめると…
安室「好きだ…」
喉から込み上げる様に、自然と言葉にして吐き出す。
こんな一言じゃ言い表せない程、愛おしく思っている筈なのに、今はこの一言しか声に出せない。
こんなにも誰かを想う日が来るなんて、思ってもいなかった。
目の奥が何故が湧き立つように熱い…
椛「うん、私も好きよ…」
そんな彼の心情を知ってか知らずか、椛も素直に思いを口にして返す。
肩から頭を離して顔を彼の方に向けると、触れるだけの口付けを彼は落としてくる。
青信号に変わると共に、唇は離れて運転に戻って行った。