第41章 親友との縁故
椛「…私は止血の応急処置をしただけよ。
蘇生の方をしていたのは、昴さんと篤さん。」
安室「…救える命もあれば救えない命もある。
全てを完璧に守ることは理想だけど、理想を100%叶えられることの方が少ない。
椛が気を病むような事はないよ。」
椛「うん、そうよね…」
彼女は彼女でやはり、救えなかった事を気にしているのだろうか?
そして病院に搬送された後に、亡くなっている事を当然の様に彼は知っている。
組織側から、情報を得たのだろう。
正確にはあの男の命は救ったが、その後今回は別途病院内でトドメを刺されたわけで…
彼女が気にする様なことは何も無い。
静かになってしまった彼女の様子に、
また別のことを考えているのかと思い、話を続ける。
安室「…どっちにしろ、俺の手は血みどろだ…
正義を貫くためだったとしても…」
椛「?
なんで今そんな事…」
安室「椛が想像する以上に、汚いし事もしてきたし、散々見てきた。
死体だって見慣れてるし、それこそ原型をとどめない様なものまで、ピンキリだ…」
椛(何が言いたいの…?)
安室「椛に知り合って…
そして好きになって…
思う事というか…
気づいたことがあるんだ。」
椛「…何?」
車内には、車のエンジン音だけが静かに響き渡る。