第24章 逢瀬
「……もしかしてさ、なんか手引きしたのか?」
「んー?どうしてそう思うの?」
「いや、だって私が昇級して野薔薇たちは推薦ってなったら、そう思うだろ」
「さぁ、どうだろうね」
あ、とぼけやがった。
絶対なんかやったわこいつ。
でも、そのおかげで昇級できたんだから感謝はする。
けど一つ気になることがある。
「なんで狗巻棘は昇級させなかった」
私と同じ準一級術師の狗巻棘だけが昇級しなかった。
推薦だってされているだろうし、私なんかよりも任務に行っている数は多い。
なのに、昇級していないのはおかしい。
「狗巻棘の身を案じて推薦させなかったのか?」
狗巻棘の呪言はとても強力だが、それに伴い攻撃が成功しても失敗しても自分自身もダメージを受けてしまうリスクがある。
しかも相手が強力であればある程跳ね返ってくるダメージは大きい。
強力な敵と遭遇した場合、普通の術師以上に狗巻棘には危険性がつきまとうことになる。
悟の夢が「強く聡い術師を育て上げること」ならば、狗巻棘を危険な目に遭わせるようなことはしない、はず……。
または、もう一つ考えられる理由としては。
狗巻棘の戦闘スタイル、だろうか。
単独で動くよりも狗巻棘はチームで動いたほうが呪言の特性を活かすことができる。
つまりどちらかというと、仲間のバックアップに向いている。
単独での戦闘が向いていないから一級推薦の足枷になっているのかもしれない。