第25章 懐玉
「一応医者診せる?」
「硝子がいればねぇ」
悟と合流し、私は悟に先ほど先生との電話の事を話した。
その間、少女を悟がお姫様抱っこし女性は私の操る呪霊の背中に乗せて移動を開始。
見たところ頬の怪我以外目立った外傷はないが、もしかしたら内側に大きな怪我をしているかもしれない。
ここに硝子がいればすぐに反転術式で治せるんだけどねぇ……。
そう思っていた時。
悟の腕の中にいた少女が目を覚ました。
術式を解いていた悟の頬に少女の平手打ちが炸裂する。
不意打ちとは言え、避ける事も術式を張ることもできなかった悟が面白くて小さく笑う。
これで「最強」だと言うんだから余計に笑えて来る。
少女は、くすくすと笑う私と不意打ちの攻撃にムカついている悟を無視して距離を取った。
「下衆め!!妾を殺したくばまずは貴様から死んでみせよ!!」
「理子ちゃん落ち着いて。私達は君を襲った連中とは違うよ」
「嘘じゃ!!嘘つきの顔じゃ!!前髪も変じゃ!!」
………………………………………。
「ぃいやーーーーーー!!!」
私は笑顔を張り付けたまま理子ちゃんの両腕を掴み、悟は眉間に皺をよせたまま両足を掴み、お互いに引っ張った。
ストレッチになって気持ちいいんじゃない?
私の前髪は変じゃない。
お洒落だ。
それに変と言ったら君のその喋り方も変だろう。
ギリギリと引っ張り合っていると、後ろから声が聞こえた。
気絶していたもう一人の女性だった。
「お嬢様。その方達は味方です」
呪霊には女性が目が覚めたら私の所に来るように言ってあった。
よかった、無事に目が覚めて。