第24章 逢瀬
ソファに腰を掛けると思ったよりふわふわで座り心地は抜群だった。
「何買ったの?」
「キャラメルと塩のダブルコンポ。悟にはメロンソーダ買った」
「ありがとう」
上映時間まであと5分。
その間、私は軽く悟にシャーロックホームズのあらすじを話した。
少しでも知っていた方がホームズは面白いからね。
上映時間は2時間と少しくらいだった。
暗闇だから、絶対悟は変なことしてくるだろうなと最初は疑っていたけど、そんなことはなくて2人集中して映画を観ていた。
序盤はホームズとワトスン博士の紹介がてら事件を解決し、中盤くらいでアイリーンと宿敵のモリアーティ教授との出会いの場面が描かれ、終盤ではモリアーティ教授との最後の戦いとしてライヘンバッハの滝が描かれた。
小説では、2人はこの滝に落ちて死亡することになっているが、続編を望んだ読者の声に押された作者であるコナン・ドイル氏が「空き家の冒険」でホームズを生きていることにし再登場させていた。
だが、この映画ではホームズは生き返る事はせずにモリアーティ教授と一緒に命を落としたようだ。
そこで映画は終わりエンディングが流れる。
余韻に浸りたいが、清掃員が入ってくると注意をされてしまう。
私はゆっくりとソファから立ち上がった。
が、悟は微動だにせずにソファに座って何も映っていないスクリーンを見つめていた。