第24章 逢瀬
暫くの沈黙の後、漸くは口を開いた。
「わ、私は……」
「うん、なに?ちゃんと聞くよ」
「悟と、付き合いたい……です。でも、付き合ったらオマエのこと殺せるかどうかわからなくて……」
「そんなこと考えてたの?殺せるに決まってるでしょ」
「え?」
「僕の事が好きだったら殺さなくちゃ。好きだからこそ僕の命を終わらせてくれるのはがいい。じゃないと嫌だ」
「……じゃあさ。私が死刑になるってなったら悟は恋人として私を殺すことができる?」
「当たり前じゃん。が大好きだから僕の手でを殺したい。他の誰にも譲るつもりはないよ」
言ったろ。
愛ほど歪んだ呪いはないって。
僕らの愛はまさしく"呪い"そのものだ。
僕の言葉を聞いたはさっきとは打って変わって嬉しそうに微笑んだ。
「うん。そっか。嬉しい、かも」
「僕に殺されるのが?それとも僕を殺せるのが?」
「どっちも」
「なら、もう一回聞くけど。はさ僕と付き合いたい?それとも付き合いたくない?」
「付き合いたい。悟を殺すのは私がいい。私も他の誰にも譲りたくない」
「じゃあ晴れて恋人同士ってわけだ」
お互いの"殺し文句"にお互いが納得した。
こんな劇的でイカれた告白は、後にも先にもこの時だけだろう。
二人で顔を見合わせ、そして笑った。