第24章 逢瀬
次の日、私は野薔薇が選んでくれた服に着替え普段はあまりしないメイクをした。
アイシャドウやアイライン、マスカラに時間がかかったけどそれでも我ながらもうまくいった気がする。
あとは、昨日買ったフレグランスの香水をつけてあとは待ち合わせ場所へ行くだけ。
浮足立つ私なんて私じゃないみたいで気持ち悪い。
すごいドキドキしてるし。
ただのお出かけなのに。
心臓が痛いくらい高鳴っている。
私は何度か深呼吸を繰り返し自分の気持ちを落ち着かせ、寮を出て待ち合わせ場所へと向かった。
六本木ヒルズタワー2階にある巨大クモのオブジェの前で集合となっている。
この近くに映画館があって、今日は映画を観ようというおでかけ。
私が映画館に行ったことがないと言う事を知った悟がそう提案してきた。
ベンチに腰掛け、私は悟が来るのを待つ。
どうせまた遅刻してくるだろうから、ゆっくりしよう。
スマホをいじって時間を潰そうと考えていると、野薔薇からLINEが来た。
「楽しみなさいよ。普段通りに」とだけ書かれていて、スタンプが送られてきた。
私も「うん、わかった」とメッセージを返しスタンプを送った。
待ち合わせ時間まであと5分。
悟の姿は見えない。
私は大きく伸びをして息を吐いた。
周りを見れば、家族連れやカップルがたくさんいて私もこの中の一人なんだと思ったら急に恥ずかしくなってきた。