第24章 逢瀬
その後、小沢優子は用事があると言い帰り支度を始めた。
野薔薇と私は連絡先を交換し店を出て、私たちは小沢優子と別れた。
「またな」
太陽みたいな笑顔で小沢優子に笑いかける虎杖。
小さく手を振って、彼女は背を向けて駅の方向へと歩き出した。
「本当にいいのか?せめて連絡先だけでも」
「私ととは交換したしまぁ大丈夫でしょ」
でも、それでも交換くらいはしたかったんじゃないだろうか。
モヤモヤとした気持ちが生まれるのは、私が小沢優子に隠し事をしているからだ。
虎杖が好きな小沢優子。
私のことが好きな虎杖悠仁。
その事実を知らないまま連絡先を交換したことへの罪悪感。
「悪い、私ちょっともう少し話してくる」
「え、!!」
野薔薇の声を無視して私は走り出した。
このままだと駄目だ。
何も言わずに変によじれてしまうのだけは駄目だ。
それで私がどれだけ傷ついて傷つけてきたか、この身を持って知っているだろ。
「小沢優子!!」
「げ、夏油さん?」
改札に入る直前に、小沢優子の名前を呼んだ。
息を切らす私の元へと彼女はやってくる。
「あのさ、話したいことがあるから。少しだけ時間くれない?」
「は、はい……」
私の真剣な眼差しに小沢優子は静かにうなずいた。