第24章 逢瀬
「」
「なに?」
メイクについてはほぼほぼ知識のない私は、置いてけぼりをくらっている。
どうしたらいいの、場違いじゃない?
って思っていたら野薔薇が手招きして私の名前を呼ぶから飼い主に名前を呼ばれた犬のごとく彼女の元へと向かう。
「これ、あんたに似合うと思う」
そう言って野薔薇は手に持ってるフレグランスのテスターを私の手首へと付けた。
そして反対の手首とこすり合わせ、匂いを嗅ぐ。
「めっちゃいい匂い……」
「でしょ!!フローラルな香りだけどそこまで強くないし。今度のデートで付けてったらいいじゃない」
「………で、デート?」
「あいつと付き合ってんでしょ?」
爆弾が投下された。
な、なんでそのこと知ってんだ。
私何も言ってないのに。
ワナワナと震える私に野薔薇は軽く息を吐いた。
「みんな知ってるわよ。隠す気のない人がいるせいで」
「………………まじ?」
「まじ」
真っ赤になる顔を見られたくなくて、私は俯いた。
言わなきゃバレないと思っていたけど、どうやら私は悟の事をちゃんと理解していなかったようだ。
「といっても、あんたも分かりやすいけどね」
「あ、のさ……。あとで、話聞いてもらえますか?」
「ったり前でしょ。なんのためにアンタを連れてきたと思ってんのよ」
「はい……」
思わず敬語になってしまったのは、仕方がないと思いたい。
あれだけ相談したり喧嘩したりした親友なのに何も言わない罪悪感が襲ってきたのだから。