第14章 明日
「君達じゃ俺に勝てないよ。さっさと代わんなよ、宿儺にさ」
男はそう言って、虎杖の身体に触れる。
虎杖が改造されてしまう。
地面に転がりながらも私は虎杖の元へと駆け寄り手を伸ばした。
しかし、虎杖は姿を変えなかった。
変えられなかったのか。
男の目が大きく見開いて、まるで恐怖で動けないかのように固まっている。
固まる男の顔を掴む虎杖。
「代わんねぇよ、言ったよな。ブッ殺してやるって」
殺意に満ちた目が。
男を見下ろす。
そして思い切り男の額へと頭突きをかました。
何度も何度も。
骨の砕ける音、肉の抉れる音、真っ赤な液体が地面に落ちる音。
グチュッ、と聞こえてはいけない音が聞こえたと同時に虎杖は少しだけ距離を取る。
頭突きを何度も喰らった男はぐらりと、身体が傾いた。
最期の一撃とでもいうように。
虎杖は渾身の蹴りを繰り出した。
しかし、虎杖の前に男はいない。
私の後ろに、そいつはいた。
腹部に刺さる形を変えた男の腕。
「夏油!!」
「あはははっ!!いいねぇ、その顔!!もっと絶望を見せてみろよ‼」
ずるりと引き抜かれる腕。
穴の開いた腹からは、大量の血が流れ続ける。
地面に倒れそうになる私だったけど、誰かに抱き留められた。
顔をあげると、七海が大きな腕で私を支えてくれていた。
「説教は後で。現状報告を」
「2人……助けられなかった……」
2人……?
吉野と、あと一人誰だろう。