第14章 明日
伊地知さんの気持ちがわからないほど虎杖も馬鹿ではない。
「ごめん、伊地知さん」
できうる精一杯の謝罪を伊地知さんに残し、虎杖は彼の横を走り抜け行ってしまった。
私は大きなため息を吐いた。
虎杖一人だけでは心もとない。
私も行って応戦しよう。
「伊地知さん。説教は後でちゃんと聞きます」
大丈夫。
私が虎杖を護るから。
私も虎杖の後を追いかけた。
足の速い虎杖に追いつけるか心配だったけど、意外にも男は私のことを待ってくれていた。
「来ると思った」
「一人で行かせるわけねえだろ」
「じゃあ、行くか」
そう言うや否や、虎杖は私を担ぎ上げた。
ちょっと待って。
どういう状況、これ。
なんて思った瞬間には、世界はまるで流れ星のように私の目の前で流れていく。
滅茶苦茶早いスピードに、驚愕するよりも恐怖が勝った。
目を瞑って虎杖の首に腕を回す。
振り落とされないようにすることしか今の私にはできない。
お姫様抱っこされているとかそんなん、気にする余裕はない。
まるでジェットコースター並みに速さが終わったころには里桜高校に着いていた。
どんな脚力?
お前のフィジカル怖すぎ。
「大丈夫か?」
「……大丈夫に決まってんだろ。行くぞ」
強がりたってことはもう多分、虎杖にはバレてるだろうけど、強がらずにはいられなかった。