第14章 明日
朝6時。
任務の準備をし伊地知さんの所へと行く。
虎杖も居て、二人で七海からの連絡を待つ。
と言うのも、今は待機中。
吉野が変な動きをしたらすぐに動けるように。
その時、伊地知さんのスマホが音を立てて鳴った。
伊地知さんの口から「帳」という言葉が聞こえ、緊張感が走る。
私達を気にするように伊地知さんは手を電話に添えて会話の内容が聴こえないようにしていたけど、もう遅い。
虎杖が伊地知さんから電話を取り上げた。
「俺は行くよ、ナナミン」
それでも七海はきっと「駄目だ」と言うだろう。
子供である私たちを護る為なんだろうけど、だからなんだ。
虎杖はスピーカーフォンにしてくれて、七海との会話が私にも聞こえるようになった。
七海は言った。
吉野の通う里桜高校に帳が下りたこと、奴が生きていること、奴が里桜高校にいる可能性が高いこと。
それらを踏まえ、私たちに待機をするように言ってきた。
だけど、ここでただ待って手遅れになるくらいなら。
虎杖は七海の言葉を聞かずに行ってしまうだろう。
案の定。
虎杖は道を塞ぐ伊地知さんに「どいてくれ」と言った。
それでも伊地知さんは退こうとしない。
「私達の仕事は人助けです。その中にはまだ、君達学生も含まれます。行ってはいけません。虎杖君」
子供を護るために、彼らは動いてくれている。
そして伊地知さんは一度間違いを犯して、護るべき対象を護れなかった。
伊地知さんが悪いわけではないけれど、責任を感じているに違いない。
一回りも年下の少年を、上からの命令とはいえそれに従い死なせてしまったのだから。