第14章 明日
「バラバラにすり潰されても魂の形さえ保てば死にはしない。呪力の消費も自己保管の範疇だ」
それにもう一つ。
「自分の魂の形はどれだけイジッてもノーリスクのようだね。次は思い切って色々やってみるよ。服ちょうだい」
「やだ」
裸のままが嫌だから夏油にそう言ったのに、夏油はものすごくさわやかな笑みを見せて即答で断った。
夏油ってこういうところあるよね。
俺が成長するためにはたくさん挑戦してみる事が一番。
好奇心が人を成長させる。
貪欲さが人を育てる。
そう思うと俺は今成長途中だ。
次、アイツに会った時はこんなもんじゃないんじゃないかな。
「相手の呪術師は?」
「どうかな。一度退くと言っていたけど、ガレキの下かも」
死んでほしくないよね、できれば。
俺の手で殺してあげたいじゃん。
やってみたいこともできていないし。
裸のまま俺はゆっくりと立ち上がる。
そこらへんに服が落ちていないかウロウロしていると、夏油が俺の名前を呼んだ。
「吉野順平と虎杖悠仁、接触していたよ」
「あはっ。運はこっちに流れてるんじゃない?」
「夏油も一緒だった。そこは誤算かな」
「夏油の妹だっけ」
「そう。まさか夏油も接触しているとは思わなかったよ」
ふぅ、と息を吐く夏油。
ガキ一人増えたところで、何も困ることはないと思うけど。
妹ってだけで揺らぐような奴とは思えないし、現に今夏油の魂は揺らいでいない。
むしろ楽しんでいるように見える。