第14章 明日
――真人side――
あの七・三術師、見た目の割に随分と無茶をするんだなぁ。
崩れ落ちた瓦礫の隙間から、身体を変形させにゅるりと脱出する。
アイツを手駒にしようと思ったけど、さすがは一級術師というべきか。
無意識に魂を呪力で覆っているみたい。
一発じゃ無為転変は効かなかった。
あと二、三発触れたらこっちのものだったのに、その前に俺がやられらた。
相打ち覚悟の広域攻撃と、アイツの攻撃で足を折られたせいでその場を動けずに今に至る。
「見かけによらず無茶するなぁ、あの術師」
思わず声を出して笑った。
それ程までにさっきまでの戦いは楽しかった。
自分の魂がどこまで通用するのか、いい実験になった。
もっといっぱい試してみたいことがあるから、試してみよう。
「随分派手にやったな」
その時、いつもの袈裟の服装ではなく全身真っ黒い服に身を包んだ夏油がやってきた。
「面白い奴だった。色々勉強になったよ」
「へぇ」
俺は特級ではあるけど、呪霊と生まれたのはつい最近のこと。
漏瑚や花御、陀艮と違って何ができて何ができないのかまだ把握しきれていない。
だから今回、一級術師と対峙できたことは運がよかった。
五条悟だったら俺はきっと既に祓われていただろうね。