第14章 明日
下を向いて拳を握りしめる私の頭に手を置いて、優しく撫でるその大きな手に、自分の不甲斐なさや未熟さを痛いほど痛感してしまう。
そして嫌でも実感する。
私は準一級術師ではあるけど、まだ16歳の子供なんだと。
「子供であるということは決して罪ではない」
それ以上私も虎杖も我儘を言う事はなかった。
言っても無駄とかではなく、お互いにわかっていたから。
自分たちがどれ程無力な人間なのかと言うことを。
「君達にはこれから吉野順平の監視をお願いします」
私達に課せられた任務。
明日の朝には再び吉野の監視が始まる。
今日はもう遅いということで、ひとまず休むことになったけど。
それでも腹の奥で渦巻く淀んだ感情は払拭できない。
七海は明日もう一度奴のいたアジトへ行くという。
まだ改造された人間がいるかもしれないし、もしかしたら継ぎ接ぎ野郎もいるかもしれないからだ。
怪我してるくせに。
「七海」
「はい?」
寮に戻る前、私は七海に声をかけた。
七海も家に戻ろうとしていたのだろう。
広い背中がくるりと振り向く。
「死ぬんじゃねえぞ」
「……わかりました」
言霊を、呪いを、七海に宿し。
私は踵を返して寮へと戻った。