第14章 明日
2時間後。
迎えに来た伊地知さんの車に乗り込むと助手席には七海が乗っていた。
私も虎杖も二人でお説教をくらった。
呪霊と組んでいるかもしれない人間の家に行き、ご飯を食べあまつさえ映画を観ることの危険性を何十分とも言われ続けた。
七海の言う通りだから何も言えずに、だんまりを決め込む私と虎杖。
その時、ふと気が付いた。
伊地知さんがチラチラと七海のことを横目で見ている。
お説教されている私たちに気を遣っているとも思えなくて、後部座席から乗り出すように七海を見た。
七海の右脇腹のシャツが赤く滲んでいるのが見えて、目を見開く。
「七海、怪我したのか?」
「えっ!?」
「たいした傷ではありませんので、騒がないように」
「たいした傷だろうがなかろうが、一級術師に手傷負わせるレベルの呪霊だってことだろ」
「高専に戻ってから説明します」
当り前だろ。
心の中で呟いて、私は乗り出した身体を後部座席へと戻した。
虎杖も何か言いたそうな顔をしていたけど、空気を読んで何も言わずに口を閉ざす。
高専に戻るまでの間、誰も何も言わなかった。
車のアイドリングと外の音しか耳に入ってこない。