第14章 明日
その後、シンと静かになってしまった空気をぶち壊すかの如く、テレビから映画の本編が始まった。
そう言えば何を見るのか聞いていなかった私は、音に反応してしまってテレビを見てしまった。
明らかにおどろおどろしい映像に顔が引きつった。
「……なに、見んの?」
「「ハンニバル」」
「ふっざけんな!!帰る!!!」
「待て待て夏油」
絶対怖いやつじゃん。
なんでそんなの見ようとすんのさ。
私が苦手なのいいことに遊んでやがるな。
「無理だって。見れないって。コメディー見ようよ」
「でも順平がオススメだって言うからさ」
「オススメでも私は見ないからね」
「え~」
え~、じゃない。
本当に無理だって言ってんだろ。
結局折れたのは私だった。
虎杖と吉野の間に座り、ひたすらに目と耳を塞いでみないようにしている。
耳を塞いでいても若干音が聞こえるから、大きな音や悲鳴が聞こえるたび、大きく肩が揺らいでしまう。
そんな私を見てケラケラ笑っていた虎杖は、さすがに怖がりすぎる私にバツが悪くなったのか優しく肩を抱いて引き寄せた。
ぶるぶる震えながらも、与えられる温もりに安心して私は取り合えず、映画の9割は見ずに2時間過ごした。
私、2時間何してたの?
虎杖に引っ付いていただけ?
男誑しじゃねえんだからさ。