第14章 明日
「ちゃん、どうしたの?嫌いな食べ物でもあった?」
「え……?」
「箸、止まってるから」
ぼうっとしていた私の顔を覗きこむ吉野の母親。
目線を動かせば、虎杖も吉野も私を見ていて。
気まずさや照れくささに耐えられなくて視線を落とし、静かに口を開いた。
「温かいなって……」
そう。
温かいんだ。
私がずっとほしかったものがここにあるから。
「……そっか。じゃあ、たくさん食べなきゃね」
そう言って彼女は私のお皿に山盛りに料理を乗せた。
私の発言に何か思う節があったのだろうけど、何も聞かずに彼女はただ、優しくどこまでも温かかった。
その後、酒に酔った彼女は虎杖に無茶振りともいえるものボケを要求してきたが、虎杖もそれに迷うことなく応える。
それがおかしくて、吉野と一緒に声を出して笑ってしまった。
沢山騒いだせいか、それともアルコールの力か。
吉野の母親はテーブルに突っ伏して寝てしまった。
空になったお皿を片付けようかと思ったが、吉野が「そこまでしなくてもいいよ」と言ったから、水につけるだけつけといた。