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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第14章 明日







吉野宅にお邪魔した私たち。
ただご飯を頂くだけでは申し訳ないなと思い、私は料理を手伝うことにした。

「気にしなくていいのに」
「私が手伝いたくて手伝うだけなので……」
「夏油ってめちゃくちゃ料理うまいんだよ」
「そうなの?」

リビングでは、男組が料理ができるまでの間映画の話しで盛り上がっていた。
それを見ながら吉野の母親は嬉しそうに笑っていて、その慈愛に満ちた表情がすごい印象的だった。

「本当に手際がいいのね。お母さんのお手伝いとかしてたの?」
「いや……まぁ、はい」

料理のスキルが上がったのは、ずっと一人だったからだ。
でもそれを彼女に言う必要はない。
言葉を濁し、適当に頷けば彼女は私の頭に手を置いて優しく撫でた。
その温もりが今はもういないお母さんと重なって、なんだか鼻の奥がツンとした。

出来上がった料理をテーブルの上に並べ、虎杖たちに声をかける。
いい匂いに釣られた彼らの表情はきらきらと輝いていて。
他愛のない会話をして、声を出して笑う。
そんな光景が私の目にはあまりにも眩しくて、つい目じりに溜まった涙を拭いた。
誰にも気づかれずに、静かに。

もし、もしお母さんやお父さん、お兄ちゃんが生きていたら。
こんな風に、こんな風な日常が送れていたのだろうか。

「今日は私がご飯作ったんだよ」「すごいじゃないか。じゃあ、ゆっくり味わって食べないとな」「お兄ちゃんもほら。ご飯が冷めちゃうわ。せっかくが傑のために作ったのに」「わかってるよ。私の好きな物ばかりだ」

そんな日常を思い描いていた。
もう叶うことはない夢物語。




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