第14章 明日
吉野を見れば、彼は眉間に皺を寄せていて彼女が吸っていて煙草を取り上げた。
「タバコ!!やめてって言ってるだろ」
「はいはい」
歩き煙草だし、ここ禁煙だからそう言ってんのか?
それにしては口調が荒っぽい気がする。
まぁ、ただタバコ嫌いってこともあるだろうし。
そこまで深く気にする必要ないか。
空は暗くなり始めている。
伊地知さんから連絡はない。
しょうがない、明日また出直すか。
そう思って虎杖に声を掛けようとしたそれよりも早く、吉野の母親が口を開いた。
「悠仁君、ちゃん。どう晩飯食べてかない?」
「ちょっと!!」
「いや、それは流石に……」
「そうだよ、母さん。迷惑だろ」
「逆だろ。迷惑かけてるのこっちだから。いきなり押しかけるなんて」
「気にしなくていいよ。みんなで食べたほうがおいしいじゃん」
いきなり会っていきなり晩飯だなんて。
それに吉野がこの事件の加害者側だったとしたら、家に行くのは流石にまずい気が……。
グゴゴゴゴゴゴ……。
「何、今の地響きみたいな音」
「俺の腹の音」
「虎杖は腹の中に怪物でも飼ってんのかよ」
「ある意味ね」
「うまくねえわ」
「あっはは。じゃあ決定だね」
吉野の母親のその言葉を断る気はもうなかった。