第14章 明日
スマホを持ったばかりの虎杖はラインの友達登録に苦戦していて、見かねた私は代わりに操作をしてあげた。
もちろん吉野に一度登録していいか聞いて。
「じゃあ、私とも交換しよう」
「う、うん……」
「女と友達登録すんのはじめて?」
「まぁ……」
「ふーん。じゃあ、女友達第一号なわけだ。誇りに思え」
「なんで上から目線?」
虎杖の言葉に少しだけ吉野が笑ったような気がした。
なんだ、笑えんじゃんって思っていたとき。
土手の方から吉野を呼ぶ声が聞こえた。
3人して視線をそちらへ向けると、買い物袋をぶら下げた女性がそこにいた。
右手には煙草が握られている。
どうやら彼女は吉野の母親らしい。
「友達?」
「さっき会ったばかりだよ」
「さっき会ったばかりだけど友達になれそーでーす」
ゆっくりと石段を降りてくる女性に私は軽く頭を下げる。
何度でも言うけど、虎杖のコミュニケーション能力はずば抜けて高すぎると思う。
宮城にいた時、絶対友達多かったろうな。
「なんて子?」
「虎杖悠仁です!!」
「夏油です」
「お母さんネギ似合わないっスね!!」
「思った事そのまま口に出すなよ……」
「あはは!!ネギ似合わない女目指してんの」
何言ってんだ。
思わずそう心の中で呟いてしまった。