第2章 恥辱
彼女の部屋を出た丁度その時、伊地知が足早に僕の所へとやってきた。
手には書類が握られている。
「五条さん、頼まれていたものです」
書類を受け取り、僕は軽く目を通す。
そこに書かれていた内容に目を細める。
「手続きは?」
「すでに終わっています」
「はどうせ僕を殺すことにしか眼中にないだろうから大丈夫だとは思うけど、なんか言われたら適当にごまかしておいて」
「わかりました」
書類を伊地知に戻し、僕は軽く頭を掻いた。
の通う中学に推薦状を出すように夜蛾学長と伊地知に言っておいた。
どうせ中学だ。
数か月学校に通わずとも卒業はできる。
は僕を殺すことで頭がいっぱいなのか通学を忘れている。
それほどまでに思い入れがないと言ってもいい。
「……いじめられてたのか」
ぽつりと呟いた言葉は誰にも届くことはない。
ただ、彼女がどんな生活をしていたのか、どんな境遇にあっていたのか。
想像通りと言えば想像通りだけど幼い子供が受けるには残酷で、だからこそ彼女の生きる理由を思うと少しだけ心が痛んだ。