第14章 明日
――夏油side――
伊地知さんの車に乗り込み、最初にするべきは吉野を探すこと。
行動範囲を調べていただけあって、すぐに吉野の姿を見つけることができた。
制服ではなくラフな格好をしているあたり、学校には行っていないのか。
「で、どうすんの?」
「これを使います」
虎杖の言葉に伊地知は小さな檻のようなものを取り出した。
そこには二体の呪霊が捕獲されている。
「蠅頭ですか」
「そうです」
「なにそれ」
「四級にも満たない低級の呪いのこと」
小さく鳴き声を上げるそいつ。
伊地知さん曰く、人気のない所に出たらコイツに吉野を襲わせると言う。
「①呪いを視認できない一般人の場合、虎杖君と夏油さんが救助してください。②視認できるが対処する術を持たない場合、同様にお二人が救助。事件当日の聴取をします。③呪術で蠅頭を祓った場合、即時拘束します」
「力尽く?」
「力尽くです。誤認ならそれでいい。後で謝りましょう」
「もしも吉野に二級術師以上のポテンシャルがあった場合はどうすればいいんですか?私が居るとはいえ、即時拘束とはいかないでしょう」
「その場合は一度退いて七海さんと合流します」
「わかりました」
そう言う事なら少しだけ安心だ。
伊地知さんの言葉に頷く私。
隣に座っていた虎杖が私の肩をツンツンと指でつついた。