第14章 明日
「夏油さんの言う通りです。"ある程度"しか絞れていません。私は調査を続けますので、お二人は別の仕事を」
夏油さんと虎杖君に与えた仕事。
それは、映画館にいた吉野順平という男の調査をすること。
吉野順平は映画館で死んだ3人の高校生と同級生。
映画館の監視カメラには、スクリーンに続く通路のみにしか設置されてはいなかったが、そこに映る吉野順平の佇まいから、彼が呪詛師である可能性は低い。
「ただ、被害者と関係があるとなれば話は別です」
「ジュソシ?」
「悪質な呪術師のことです」
呪詛師。
その言葉と共に、私は夏油さんを見れば彼女と目が合った。
彼女は気にしていなような顔をするが、少し瞳が揺れたのを見逃さなかった。
あまり本人を目の前にして言いたくはなかったが。
それでも何も知らない虎杖君には説明をしなければいけない。
呪詛師がどういう存在なのかを。
悪質な呪術師。
そう説明すれば、嫌でも頭の中にはあの人が出てくる。
アイツが尊敬していた人物の姿が。
私が追い詰めてしまった人物が。