第2章 恥辱
そうしていたら、こんな思いしなくてもよかったのに。
お兄ちゃんが苦しんでいた時、こいつが気付いてあげてたらお兄ちゃんは今頃死んでなかったのに。
どこでお前は間違ったんだよ。
親友だったんじゃないのかよ。
「いいわけじゃないけど。あの時は僕も、ガキだったんだ。自分の事でいっぱいいっぱいだったし。気づいた時にはもう手遅れだった」
「………」
「僕もさ、思う時はあるよ。あの時はああすればよかったとか、気づいて上げられればとか。でも、そんなの思っても過去のことでしかない。巻き戻せない。今できうる最善の事をやるしかない」
「その結果がこれかよ……」
「傑のやろうとすることは、許されることじゃなかったからね」
「……もういい。もう、何も聞きたくない」
「自分の過去を後悔するつもりも、お前に懺悔するつもりも僕はないよ」
「何が言いたい」
「ただ、そうだね……」
男は一度口を閉じた。
そして、一拍置いた後。
「……すまなかったね」
苦しそうな表情をして私に謝る五条悟。
その顔を見て、気づいてしまった。
五条悟もまた同じなのだと。
本当は私だってわかっていたんだ。
お兄ちゃんを殺した五条悟が全部悪いわけじゃないって。
仕方なかったっていう大人の言葉もわかる。
そこまで理解ができないほどお子様じゃない。