第26章 事変
ドゴッ!!
黒髪の男の口から真人の拳が繰り出され、虎杖を思い切り殴った。
まるで着ぐるみを脱ぐように、虫が脱皮をするかのように、男の中から真人が現れる。
流れるような手つきで隣にいた男も刀へと変形させた。
躊躇いなど一つもない動作に奥歯を噛みしめた。
「想像力足りてないんじゃない?まぁ、そっちの女は気づいていたみたいだけど判断が遅いよ。気づいたらすぐに攻撃しなきゃ。じゃないと、こうなるってこと分かってるでしょ」
「やめろ!!」
「馬鹿か?それはオマエ次第だろ」
私と虎杖のメンタルには改造の方が効くと分かっているからこそ。
コイツは人間を改造することをやめない。
ああ、そうだよ。
私は分かっていたじゃないか。
あの男から真人の呪力を感じていたことに。
なのにすぐに攻撃をしなかったのは、虎杖がそれを目にした時、それこそ虎杖の心が死ぬと思ったからだ。
同時に、きっと私の事を軽蔑するとも思った。
馬鹿は私だ。
何を天秤にかけているんだ。
どちらにせよ、虎杖のメンタルはもう……。