第26章 事変
「どうしてオマエは、何度も……何人も!!人の命を弄ぶことができるんだ……!!」
ゆっくり立ち上がなりながら虎杖は真人を睨む。
「くははっ。指折り数えて困り顔で殺せば満足か?次からそうするね♡」
どこまでもどこまでも。
人の癪に障る物言いをしやがる。
それで思考を鈍らせる算段か?
怒りは思考を鈍らせる格好の感情だからな。
「ペラッペラのオマエにはペラッペラの解答こたえを授けよう、虎杖悠仁」
そう言った真人の左手は吉野に似た顔に変形された。
感情の籠っていない声で「たすけてー」と喋るそいつの頭に指を突き刺す。
あの日の光景が脳裏に過る。
改造された吉野をこの手で殺したあの光景が。
落ち着け、怒りに身を任せるな。
コイツの思うつぼだぞ。
生唾を飲み込みながら湧き上がってくる感情をぐっとこらえ、真人の言葉に耳を傾ける。
「オマエは俺だ」
「あ"?」
「いちいちキレんなよ。呪いの戯言だろ?―――だがな、そいつを認めない限りオマエは俺に勝てないよ」
「ベラベラと。よく喋るな。遺言か?」
「虎杖、落ち着け」
「分かってる。ナナミンなら、怒りで我を忘れるなんてヘマはしなかった」
その言葉に安堵のため息を吐く。
思ったより虎杖は冷静なようだ。