第26章 事変
「!!」
虎杖の言葉と同時に振り向くと、真人はにやりと笑って手の中で二つの改造人間の魂を融合させた。
嫌な音が耳の奥に木霊する。
「多重魂、撥体」
二つ以上の魂を融合した多重魂によって発生した拒絶反応を利用し、魂の質量を爆発的に高めた"それ"は、気付いたら私の目の前で大きな口を開いて襲い掛かってきた。
本当に一瞬のことで対応が遅れた。
鍵を手にしようとしても、間に合わない……。
そう思った時。
身体に大きな衝撃を受けた。
「虎杖っ……!」
地面に右半身を打ち付けた私は痛みで顔を歪ませるが、目に映った光景にその瞳を大きく開いた。
私よりも一回りも大きな虎杖の背中が見える。
私を庇ってくれたのだと分かる時には、"それ"の口の中から真人が姿を現し、虎杖の顔面を思い切り殴った。
「虎杖!!」
「あれ、夏油だと思ったけど、虎杖のほうだったか」
ケラケラと笑う男は、地面に膝をつく私と虎杖を虫を見るような目で見つめる。
コイツ、こんなに強かったか。
あの時、里桜高校で戦った時はこんなに強くなかった。
クソ……。