第26章 事変
なに簡単に死んでんだよ、七海。
馬鹿野郎、馬鹿野郎。
私、オマエからCD返してもらってないんだけど。
感想も聞いてないし。
オマエは律儀な奴だから、貸したものは絶対返すし感想だって言ってくるだろ。
私何も返してもらってない!!
感想だって……。
馬鹿野郎。
何勝手に死んでんだよ!!
「七海!!!!」
溢れる涙で前が歪んでしまう。
私は乱暴にそれを拭って、七海に近づこうとしたけどそれより早く虎杖が動いた。
「………オマエは、なんなんだ!!真人!!」
「デケェ声出さなくても聞こえてるよ!!虎杖悠仁!!」
対峙する二人を少し後ろから見つめる。
落ち着け夏油。
七海が死んで気持ちが大きく揺らいだ。
でも、きっと七海ならどんな状況下でも冷静に判断ができる。
落ち着け、夏油。
私が今やるべきことは悲しむ事じゃない。
目の前の真人を倒すことだろ!!
私達ならそれができるって思ったからオマエはあんなことを言ったんだろ。
呪いにも似たあの言葉を。
「私がサポートする!!虎杖!!オマエは何も考えねえで真人を倒せ!!」
「応!!」
「ははっ!!そう簡単に俺がやれると思うなよ、三流術師!!!」
真人が弾いた石ころくらいの大きさの改造人間は、虎杖の目の前で大きく変形し顔面を狙って襲ってきたが虎杖はそれを意図も容易く避けた。
鍵を取り出し、私は襲ってくる改造人間を倒しながら、虎杖が戦いやすいようにサポートへと回る。
そんな私の思考回路を読んだのか、それとも本能でそうしたのか分からないが、真人は私の後ろに立っていた。