第26章 事変
「よく頑張ったね!!」
「……頑張ってなど……。私は、逃げました」
結局自分が何をしたかったのか分からないまま、死んでしまった。
挙句、あの子たちに"呪い"をかけてしまった。
「七海にも分からないことがあんだね」
「あるに決まってるでしょう。私の事をなんだと思っているんですか」
「僕はわかるよ」
「え?」
「七海が頑張ってるのずっと見てたからね」
灰原は言った。
私の側にずっといたと。
ずっと私の側にいて見守っていたと。
「七海は託したんだよ」
「託した……?何を……?」
「"願い"だよ。それと、"希望"。あの子達なら大丈夫だと思ったから、呪術師だと認めたから、"僕達"の想いを託した。……七海でも知らないことがあんだね!!」
……屈託のない笑顔に私は目を細めた。
「貴方という人は……」
そういうところは本当に敵わない。
だが、彼の言う通りだ。
私なんかより、彼らはずっとずっと強い。
「見守ろうよ、ここで。一緒にさ」
呪った願い。
託した想い。
どちらも似たようなものだ。
灰原の言う通り。
ここで彼らの行く末を見守ろう。
大丈夫です。
君達の後ろには私達がついています。
さぁ、気張っていきましょう。