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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第26章 事変










意識が浮上すると、目の前には青い海と空そして白い雲が眼前に広がっていた。
寄せては返す波の音が耳の奥に響いて心地が良い。

一体ここはどこなんだろうか。
マレーシア、だろうか?
いや、違う。
海の地平線の向こう側に見えるのは高専だ。
どういうことだろう。
気になって海に足を踏み入れようと歩を進めた。

その時、後ろから肩を叩かれた。
振り向くと、そこには高専時代の夏油さんがいた。
夏油さんは一言も声を出さずに、静かに微笑んでいる。

暫く見つめ合っていると、夏油さんはとある場所を指さした。

指さす方向は海の地平線に見える高専ではなく、夏油さんの後ろにある小さな道。
草木が多い茂るその道は、四季なんて関係ないかのように色んな花が咲いていた。
桜、向日葵、秋桜、椿……。

鼻の奥に甘い匂いが充満する。
ゆっくりと歩を進めると、広い場所へと辿り着いた。
目の前に大きな桜の木があって、その下に誰かがいる。
一瞬誰だか分からなかった。
だけど、その人物が誰だか分かった瞬間、私の瞳は大きく見開かれた。

「お疲れ。そしておかえり、七海」

あの頃と変わらない太陽のような笑顔に、涙が溢れそうになった。

「ただいま、灰原」

静かに旧友の名前を呼んだ。
白い歯を見せて笑う彼は昔と何一つ変わってはいない。

「まさか、もう一度君に会って話ができるとは思っていませんでした」

溢れそうになる涙を零さないように、上を向いて深く息を吐いた。
きっと灰原にはバレていると思うけど。

「七海」

灰原が手招きをして私の名前を呼んだ。
彼に近づくと彼は背伸びをして私の頭を優しく撫でた。
伝わる温もりに胸の内が熱くなる。






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