第26章 事変
ゆっくりと左腕を上げてとある場所を指さす灰原。
そちらへ視線を向けると、そこには虎杖君と夏油さんが驚いた表情で私を見ていた。
「ナナミン!!」
「七海!!」
灰原は彼等を指さしていた。
それを意図する意味を知ってしまって、打ち震えた。
駄目だ、灰原。
それは違う。
言ってはいけない。
それは彼等にとって"呪い"になる。
"虎杖君はもう呪術師なんですから"
【仲間が死にました。でも僕はそこにいませんでした。なんて、俺はゴメンだ】
【俺は強くなるよ】
【助けが必要なら、言えばいいだろ。護らせろよ、背負わせろよ。同じ呪術師なんだから】
【死ぬんじゃねえぞ】
彼等の声が脳裏に響く。
言ってはいけないと分かっているのに。
彼等の言葉が、何故だか私を許してくれたように感じてしまった。
「虎杖君、夏油さん」
静かに、ゆっくりと二人の顔を見つめる。
「後は頼みます」
瞬間。
私の身体は弾け飛んだ。