第26章 事変
――七海建人side――
足が重い。
視界が霞む。
身体が、熱い……。
上手く回らない思考回路で、私はただただ駅の構内を歩き続ける。
気が付いたら私は歩いていた。
確か特級呪霊に焼かれたと思ったのだが。
ああ、そうか。
この身体の傷はその時のものか。
少しずつ思い出してきた。
かろうじて生きていたらしい私はどうやら本能のままに動いていたようだ。
思考はかなり鈍っているが、私自身の魂が叫んでいたのだろう。
―――祓え。
―――助けろ。
―――守れ。
フラフラとおぼつかない足取りで駅構内を歩いて、階段を降りて、地下を目指すが目の前の有象無象が邪魔をしてきた。
まさかまだこんなに改造された人間がいたとは。
本当に呪術師はクソだ。
重く深い長いため息を吐いた。
自分の身体のことは自分がよくわかっている、とよく聞くがまさかこんなところでそれを体現するとは思わなかった。
たぶんきっと私は長くは生きられない。
例えこの戦いを生き抜いたとしても命が尽きるのは時間の問題だろう。